コラム

動悸で不安を感じている方へ


動悸を感じる3つのメカニズム

多くの方が一度は感じたことのある「動悸」について解説します。
そもそも、前提としてヒトの心臓は1日に8~12万回ほど拍動します。この心拍をすべて自覚してしまうと大変ですよね。そこで、ヒトの心拍は脳によって自覚しないよう感覚が遮断されているのです。脳による感覚遮断が何らかの原因でうまくいかなくなると、「動悸」が出現します。動悸とは、「自分の心拍を感じてしまう状態」のことなのです。

さて、動悸を感じる3つのメカニズムについてご説明しましょう。

(1)必要以上に心臓が激しく動いてしまう
(2)脳が予測できないタイミングで収縮を起こしてしまう
(3)緊張や不安などの精神的ストレスで、脳の調節機能がうまく機能しなくなる

 

(1)必要以上に心臓が激しく動いてしまう

貧血や甲状腺機能亢進症、ビタミンB1欠乏症などの疾患では、 心臓が不適切に激しく動いてしまうことにより動悸症状が出現することがあります。息切れや浮腫 倦怠感、めまいなどを伴うことも珍しくありません。
適切な評価には血液検査が必要となります。

(2)脳が予測できないタイミングで収縮を起こしてしまう

不整脈があると、脳が予測できないタイミングで心拍が生じるため、感覚遮断のタイミングが合わず動悸が生じます。動悸症状がある際の心電図がとれれば診断的価値が高いのですが、病院に着く頃には症状がなくなっていることも・・・。
適切な評価には安静心電図、心臓超音波検査、24時間装着型心電図が有用な検査となります。

(3)緊張や不安などの精神的ストレスで、脳の感覚遮断がうまく機能しない

(1)や(2)の可能性をしっかりと除外出来た場合、心拍の知覚過敏状態による動悸である可能性が高くなります。多くの方は他の病気の可能性が十分に低くなったことで不安が解消し、動悸が消失することもあります。

多くの方の動悸症状は、健康に問題のないものであることがほとんどです。従って、必要な診察や検査をしっかりと行った上で、不安要素を取り除くことが大切です。しかし、24時間装着型心電図を実施すると心房細動のような脳梗塞を起こしてしまう不整脈が見つかることもあります。ご不安な方はいつでもご相談ください。

当院の24時間装着型心電計(ホルター心電図)は完全防水仕様モデルであり、装着したまま入浴することも可能です。ご予約が必要となる検査ですので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。

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